カレー色の指輪
今朝、起きるか起きないかくらいのときに、物語のストーリーを考えていた。
主人公がカレーを作っているときに、ふとしたはずみで指輪を鍋の中に落としてしまう。
慌てて鍋の中を掻き回し、ようやく探し出したリングは、カレー粉の色で真っ黄色に染まっている。洗ってみても落ちない。
黄ばんだリングをそのまま指に戻す。
そこから、主人公に不思議な出来事が起きていく
、、、と、そんなことまで思いついた。
そもそも金属製のリングがカレー色に染まるだろうか。いやそんなわけはないだろう。そもそも不思議な出来事ってなんだ。面白くなるのか、この話は。
そんなことを考えながら、むにゃむにゃと起き上がる。コーヒーを淹れてテレビをつける。
ラヴィットだ。夫が気に入って毎朝つけている。くだらん。でもなんか見ちゃう。
今日のラヴィットは、2023年総集編で、これまでの面白シーンの振り返りだった。
第何位かに、料理人のシーンが出てきた。麻婆豆腐をつくっているらしい。ラヴィットのファンで、出演者の誰だかが作った指輪を見せている、、、
作っている麻婆豆腐の中に落ちた。
あっ。
カレーじゃなくて、麻婆豆腐なだけ。
辛いドロドロの食べ物というところまで一致している。
指輪が真っ赤に染まったら、料理人の彼に何かが起こるのかもしれなかった。でも指輪はただ麻婆豆腐の上に浮かぶだけで、探す必要もなく、ただ笑いを生んだだけだった。