ひろいせかいの話2
小さい時から「算数」には苦手意識があった。ただひたすらに計算方法を覚えさせられ、意味のわからないルールや記号がどんどん足されていく。二次方程式だ、グラフだ、なんじゃかんじゃ、こんなの将来使うことはないだろうという勝手な推測を自分の中に立てつつ、高校の途中まではなんとかこなしたけど、ある時にこんな意味不明なのやってられるか!と思って、パッと手放したのを良く覚えている(それに先生も好きじゃなかった)。あれはたしか、ベクトルとかいうやつだった。
そこからことばのことしか考えなかったわたしが、はじめて数学に興味を持ちはじめたのは、姉の旦那さんが「数学科」とかいう学科を卒業したと聞いた時だろうか。数字だけに興味がある人がいるのかと不思議に思った。ことばの道には、言語の違い、ことばの音、使い方、文法、コミュニケーション、、色々な学ぶ方向性があるのだけど、数字だけでそんなにあるもんか!
そしたら、同じ時期くらいに読んでいた本たちに、次々に数学の話が出てくる。心理学にも統計が使われるらしいし、最近流行りのAIも、それからちょっと前に書いた相対性理論も。おいおい。そんなの聞いてないぞ。数学がこんなことに使われるなんて。。。
そして気づく。数学ってあらゆる分野に必要で、小学生から高校までは、解き方の積み重ねをしていただけ。「これを解決したい」と思ったときに、式が立てられ、計算を自らできるようにするための土台。
なんだ。全然必要だったじゃん。
せかいはもっと広かった。
数学があれば、この画面を作ることができて、世の中のあらゆる推測を、信じられる理論へ導き出すことができる。段ボールの中のモノがどう動くのか、これも数字で表せるらしい。これができる人が身近にいたのはおどろきと感動だった!ことばのせかいのわくわくと同じように、こうして色々な分野がわくわくで満ちているんだろうな。
新しいことを知るたびに、旅をして新しい文化に触れたような感覚に浸れる。「世界を知る」というのは、物理的な移動でだけ達成されることではないのだ。