正義のベルカーブ
同じお花からとった種でもひとつひとつ育ち方がちがう。アリははたらき度合いにバラツキがある、らしい。ヒトも背が高かったり運動が得意だったり知能が高かったりする。
かつて『私と小鳥と鈴と』を書いた金子みすゞは、ちがう生きもの(とモノ)をそれぞれの得意分野でくらべた訳だけれど、お花とアリとヒトと、それぞれを同じ尺度でくらべてみても、ミクロな世界でのちがいがある。
「あらゆるものは正規分布していると思うから、何か偏りがある時は何かしらの恣意的な動きを疑うようにしている」ってある政治家が言っていた。つまりある尺度がきれいなベルカーブを描いて正規分布していることが “自然” な状態ということで、過度に何かに偏っているときは、不自然であるのかもしれないと。
この「万物の正規分布」論はほんとうに通用するかわからないけど、もし意外にも当たっているとしたら。今の社会での「正解」が「正規分布」だとした尺度で色々見てみるというのも、面白いかもしれない。少なくとも「ロングテール」に象徴される過度な資本主義は是正されるかもしれない。